
京都・法雲寺には、「菊野さん」こと菊野大明神と呼ばれる強力な縁切りスポットがあります。
京都の縁切りスポットといえば縁切り神社・安井金比羅宮も有名ですが、こちらの菊野大明神は、古来より「婚礼時には側を通ってはいけない」「カップルが近づくだけでも男女の仲が裂かれてしまう」と言われているほど縁切りのご利益が強力なのだとか。
また、この菊野大明神の縁切りには、悲しい伝説やちょっとした怖い話も残されています。そちらの話も含めてご紹介していきます。
お参りに行った人達の声
法雲寺(ほううんじ)
法雲寺は元々、正暦2年(991)に建立した法興院の南側にあった庭園の池の跡地でした。しかし、法興寺の焼失後、長らく手入れされず荒れ放題となっていました。
その後、応仁の乱が起きると、世の中の治安が乱れ「鬼が出る」と人々に噂されるようになりましたが、永禄10年(1567)源蓮社然譽上人が鬼を鎮め、乱れた人々の心を鎮めるためにとこの地に庵を結びました。この庵が法雲寺の始まりであり、後の元和2年(1616)には二世本蓮社源譽上人によって法雲寺は建立されました。
ご本尊の阿弥陀如来像をお祀りしている本堂は、文化15年(1818)に再建されたものです。
悪縁切りの菊野大明神
お堂の東側にある菊野大明神は、京都の中でも有名な縁切りスポットの一つ。「新婚の男女が側を通るだけでも別れてしまう」と言われるほど強力な縁切りのご利益があると言われているため、婚約してる人や、付き合っている恋人と結婚を考えているは避けた方が良いとも言われています。
縁を切るのは男女関係だけでなく、友人関係・仕事関係(上司・部下)・いじめやストーカー・病気など、本人にとって悪い縁を切って、代わりに良縁を結んでいただけるそうです。
ご神体は「深草少将腰掛石」といい、別名・縁切り石とも呼ばれています。この石が縁切り石と呼ばれるようになったのには「百夜通(ももよがよい)伝説」が深く関係しています。
百夜通伝説とは、平安時代の女流歌人・小野小町にまつわる伝説の一つで、小野小町に恋をした深草少将(ふかくさのしょうしょう)の悲恋の話です。
深草少将からの熱心な求愛に困った小野小町は、彼に自分のことを諦めてもらおうと、
『100日間、毎晩私のもとに通ってくれたら、あなたの気持ちを受け入れましょう』
…という条件を出しました。その言葉を真に受けた深草少将は、雨の日も風の日も毎晩、小町のもとへと通いました。しかし99日目の夜は雪が降るほど寒い日だったため、深草少将は思いを遂げられないまま凍死してしまったのです。
その百夜通いの際に、深草少将が腰掛けて休んでいたとされているのが深草少将腰掛石。このことからこの石には、深草少将の無念と、恋が叶わなかった悲しみが込められており、縁切りの力…特に男女の絆を断ち切る力があると言われているのです。
ちなみにこのご神体は非公開のため、実際に見ることはできません。
現在の祠は1988年に改修され、きれいにされていますが、改修前にはあちこちに五寸釘で打たれた藁人形や、恨み事が書かれた願書が貼られていたり、祠に髪の毛が巻き付けられていたりと異様な雰囲気が漂っていたという話も囁かれています。一説によれば、そういった人々の怨念が集まって強力なパワースポットとなったというちょっと怖い話もあります。
縁切りを祈願したい人はきちんと参拝手順に沿ったご祈願をするようにしましょう。
厄除の豊川大明神
菊野大明神の隣にある豊川大明神には火災除け・厄除け・災難除けのご利益があります。
「縁のみならず、家業繁昌、家内安全、無病息災にも霊験ありて 世人に示し御利益を授くべし」(法雲寺公式サイト/法雲寺縁起より)
【良縁・悪縁祈願のかわらけ割】
境内では「からわけ割り」とを行うことができます。かわらけ割というのは、かわらけと呼ばれる小皿を割って良縁祈願・悪縁切祈願を行う儀式。授与所でからわけセットを購入し、手順に倣って祈願します。
かわらけセットの中には、護摩木1本(縁切祈願・心願成就・良縁祈願・厄除消除・当病平癒の5本より1本選択)、ろうそく2本、お線香2本、かわらけ1枚(良縁・悪縁から1枚選択)が入っています。
- 手水舎で清める。
- ろうそく・線香に火をつけお供えする。
- 菊野大明神をお参りし、時計回りに進む。
- からわけに願い事を記入する。
- 良縁祈願の場合は、三方の上にかわらけをお供えし、悪縁切りの場合は「厄払いの石」の上でかわらけを割る。
- 最後に豊川大明神にお参りする
法雲寺へのアクセス
◆所在地
〒604-0911
京都府京都市中京区河原町通二条上る清水町364-1
◆電話番号
TEL:075-241-2331
≪電車≫
京都市役所前駅 徒歩約5分
≪バス≫
京都市役所前 バス停下車 徒歩約1分
◆正式名称:清水山洗心院法雲寺
◆拝観料:無料
※菊野大明神・豊川大明神 香灯代:100円/護摩木代:400円
◆ご本尊/宗派:阿弥陀如来/浄土宗

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