奈良県の大神神社は山そのものをご神体として本殿を設けないことで有名な神社ですが、山形県には温泉がわき出る巨岩をご神体とする「湯殿山神社(ゆどのさんじんじゃ)」があります。

出羽国(山形県)を東西に分ける月山・羽黒山・湯殿山は「出羽三山」と総称され、それぞれの山に建てられた3つの神社はまとめて「出羽三山神社」と呼ばれます。今回は出羽三山神社の中でももっとも神秘的なパワースポット、湯殿山神社について紹介します。

 

目次

  • 湯殿山神社の歴史
  • ご神体は温泉?湯殿山神社のパワースポットを紹介
  • 湯殿山神社のシーズンは?
  • 湯殿山神社へのアクセス

 

湯殿山神社の歴史

 

 

出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)は、太古の時代から火山爆発を繰り返す「怒れる山」でした。そんな大いなる力をもつ山に人々は神秘と畏怖を感じ、それぞれの山に3つの神社を建てました。

 

月山神社には月読命(つくよみのみこと)が、出羽神社には伊氏波神(いでわのかみ)と稲倉魂命(うかのみたまのみこと)が、そして湯殿山神社には山の神である大山祗命(おおやまつみのみこと)と大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の三神が祀られています。

 

 

日本に仏教が伝来すると、出羽三山の奥の院である湯殿山は永遠の生命の象徴である「大日如来」だと考えられるようになり、即身成仏(生きたまま悟ること)を目指す僧たちの行場になりました。

その後も密教や道教、儒教などあらゆる信仰を取り込み、江戸時代には出羽三山に参拝することを「西の伊勢参り」に対する「東の奥参り」と呼び、一生に一度は成し遂げるべき成人儀礼と考えられていたほどでした。

 

大昔から信仰を集めてきた湯殿山神社は、今では日本を代表するパワースポットとしても有名で、湯殿山に登るために日本を訪れる外国人観光客も数多くいます。

 

ご神体は温泉?湯殿山神社のパワースポットを紹介

 

 

湯殿山神社では山そのものが神(大日如来)であると考えられていたため、湯殿山には人工の社殿がありません。

そんな湯殿山神社のご神体は、温泉がわき出る巨岩です。この巨岩を裸足になって登ることで大日如来と一体になり、即身成仏ができると考えられました。

 

湯殿山神社では昔から「語るなかれ、聞くなかれ」=「口外禁止」がおきてとされました。現在でも湯殿山神社本宮は土足・写真撮影厳禁ですし、参拝(登拝)するには必ずお祓い(1人当たり500円)を受けなければなりません。

 

 

そんな厳しいルールがありながらも湯殿山神社が多くの参拝客でにぎわうのは、現代人でも神の雰囲気を感じてしまうほどのパワースポットだからでしょう。

また「湯殿」という名の通り、湯殿山は温泉の名地でもあります。本宮にはご神体からわき出たご神湯をいただく足湯があり、参籠所(さんろうじょ)では入浴とお湯を飲むことも可能です。

もちろん山を降りた六十里越街道付近にも温泉施設はありますが、参拝した際には記念に神のお湯を浴びることをオススメします。

 

湯殿山神社のシーズンは?

 

 

写真撮影が禁止されているため、湯殿山のご神体は実際に参拝しなければ見ることができません。訪れた人たちが皆「一度は行くべき」と口をそろえる神秘的な体験は、一生に一度は経験する価値アリ。

 

そんな湯殿山神社に参拝できるのは、4月下旬から11月上旬の約半年間だけです(冬は積雪により閉山されるため)。とくに美しい紅葉と神秘的なご神体を同時に味わうことのできる秋には、毎年多くの参拝客が訪れます。

 

ただし車で行くことができる羽黒山の山頂には、出羽三山すべての神様が祀られている「三神合祭殿」もありますので、冬季や足の不自由な方でも湯殿山神社のご利益(厄除けと家内安全)をあずかることが可能です。

 

 

湯殿山神社へのアクセス

 

◆所在地
〒997-0532 山形県鶴岡市田麦俣六十里山7

◆電話番号:0235-54-6133 (湯殿山本宮)

◆アクセス
≪電車/バス≫
鶴岡市から庄内交通バス羽黒山行きで50分→終点下車
表参道の石段を登る場合、又、国宝羽黒山五重塔を拝観する場合は、同バスで随神門下車

≪車≫
庄内あさひICから約25km
山形自動車道湯殿山ICから約14km
山形自動車道月山ICから約15km
庄内空港から山形自動車道経由で約50km

※駐車場:150台
※参拝所(駐車場)までは「湯殿山有料道路」を使用
※参拝所からは徒歩(片道20~30分程度)もしくは「湯殿山神社本宮参拝バス」(片道約5分)で移動

 

◆正式名称:里之宮 湯殿山神社

◆参拝時間:4月下旬~11月初旬 ※年度により変動あり
(有料ゲート受付時間:8:30~16:00)

◆ご祭神
大山祗命(おおやまつみのみこと)
大己貴命(おおなむちのみこと)
少彦名命(すくなひこなのみこと)

◆主な祭事:例祭 開山祭

公式サイト:http://www.dewasanzan.jp/publics/index/16/

(ライター/夏藤涼太)

Webライター/シナリオライター。

 

「日々にロマンを。毎日を豊かに。日常を非日常に」をテーマに、日本文化や歴史に神社仏閣、オカルトネタにサブカルチャー、シナリオライティングまで広く深く執筆しています。学生時代の専攻は民俗学。

 

◇twitter:@hondobo
◇blog:http://donotlife.blog.jp

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