東京都台東区松が谷にある「秋葉神社(あきばじんじゃ)」は、住宅や雑居ビルの中にこじんまりとたたずむ、規模の小さい神社です。

ですがこの秋葉神社、実はあの「秋葉原」の名前の由来となり、また150年に渡って江戸(東京)の火災を防いできたすごい神社なんです。

 

今回は知る人ぞ知る、台東区松が谷の秋葉神社の歴史や境内を紹介します。

 

目次

  • 秋葉神社のご祭神とご利益
  • 秋葉神社と秋葉原の歴史
  • 秋葉神社の境内と御朱印
  • 秋葉神社へのアクセス

 

秋葉神社のご祭神とご利益

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秋葉神社というと、神社に詳しい方は静岡県秋葉山の秋葉神社を思い浮かべる方も多いかもしれません。

秋葉山の秋葉神社は、火伏せ(火災を防ぐ)のご利益をもつ「火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)」を主祭神とする神社で、日本全国に点在する秋葉神社の起源とされています。

 

しかし東京都台東区松が谷の秋葉神社の主祭神は
・ 火の神、火産霊大神(ほむすびのおおかみ)
・ 水の神、水波能売神(みずはのめのかみ)
・ 土の神、埴山毘売神(はにやまひめのかみ)

の3柱の神々で、まとめて「鎮火三神(ひしずめさんしん)」と呼ばれます。その名の通り、こちらも火伏せのご利益をもちます。

 

 

秋葉神社の鎮火三神はもともと、現在の皇居にある紅葉山で祭られていた神々です。

さらに創建当初は秋葉神社ではなく、「鎮火社(ちんかしゃ)」という名前の神社でした。ですから東京都台東区の秋葉神社は本来、秋葉山の秋葉神社とはまったく関係のない神社なのです。

 

では、なぜ秋葉神社と呼ばれるようになったのでしょうか?

さらに、秋葉原の名前の由来となりながら、なぜ秋葉原から離れた台東区にあるのでしょうか? これらの謎には、秋葉神社の歴史が深く関わっています。

 

秋葉神社と秋葉原の歴史

 

 

「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉が残っているように、江戸はとにかく火災の多い町でした。

明暦の大火(1657年)では江戸の人口の約8分の1が亡くなり、元号の変わった明治2年(1869年)にも、神田一帯を全焼させる大火災が起こりました。

 

そこで火災の起こりやすかった神田の延焼を防ぐために、千代田区神田花岡町(現在のJR秋葉原駅構内)を中心に大きな火除地(空き地)が作られ、1870年に天皇の勅令(命令)によって後の秋葉神社となる「鎮火社」が創建されました。

 

しかし当時、火伏せの神と言えば秋葉山の神がもっとも有名で、東京でも信仰を集めていたために、人々はこの鎮火社も秋葉神社の末社だと誤解してしまったのです。こうして鎮火社が「秋葉様」や「秋葉神社」と呼ばれるに従って、その周辺の空き地(原っぱ)も、「秋葉っ原」や「秋葉ヶ原」と呼ばれるようになりました。

 

 

これが、現在電気街・サブカルチャーの中心地として有名な「秋葉原」の地名の由来です。

ですが1888年、境内地は鉄道駅設置のために払い下げられ、秋葉原の由来となったにも関わらず、鎮火社は台東区松が谷の地に移転することになりました。

 

その後、1930年に鎮火社は正式に「秋葉神社」と改名され、今日に至ります。

 

秋葉神社の境内と御朱印

 

 

引用元:Wikipedia(パブリックドメイン)

 

東京都台東区の秋葉神社は市街地にこぢんまりと位置していて、現在は住宅や雑居ビルに囲まれています。

境内には社殿や手水舎、神輿(みこし)庫、社務所など、最低限のものしかなく、小規模な神社だといえるでしょう。

 

ですが歴史が深く、厚い信仰を集めているだけあって、境内は常にきれいに整備清掃されています。

朱色が美しい現在の社殿は、空襲によって焼失した後、1971年に再建されたもの。毎年11月には、炭火の上をはだしで歩いて火難除けや無病息災などのご利益を願う「火渡り式」が行われます。

 

また宮司さんがとても親切だと評判で、非常に丁寧に書かれる御朱印が大人気。さくら詣や夏詣など、季節や祭事に応じたカラフルな限定御朱印をいただくことができる他、社殿や火渡り式がデザインされた美しいオリジナルの御朱印帳も頒布しています。

 

秋葉神社へのアクセス

 

◆所在地
〒111-0036 東京都台東区松が谷3-10-7

◆電話番号:03-3844-5748

◆アクセス
地下鉄銀座線「稲荷町駅」より 徒歩10分
地下鉄日比谷線「入谷駅」より 徒歩5分
※駐車場:なし

◆ご祭神
火産霊大神(ほむすびのおおかみ)
水波能売神(みずはのめのかみ)
埴山毘売神(はにやまひめのかみ)

◆主な祭事:例祭 火渡り式

東京都神社庁公式サイト:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/taito/3051/

(夏藤涼太/ライター)

Webライター/シナリオライター。

 

「日々にロマンを。毎日を豊かに。日常を非日常に」をテーマに、日本文化や歴史に神社仏閣、オカルトネタにサブカルチャー、シナリオライティングまで広く深く執筆しています。学生時代の専攻は民俗学。

 

◇twitter:@hondobo
◇blog:http://donotlife.blog.jp

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