
高野山は、平安時代初期に真言宗の宗祖である弘法大師空海により、修禅の道場として開かれたとされる真言密教の聖地・弘法大師入定信仰の山です。
一般的にお寺といえば、一つの建造物のことを指し、そのお寺がある敷地内を境内といいますよね。高野山の場合は「一山境内地」…つまり、高野山全体がお寺なのです!
117ヶ寺の寺院が密集している、日本では他に例を見ない宗教都市ですね。この山内に点在するお寺は、塔頭寺院(たっちゅうじいん)といい、117ヶ寺のうち52ヶ寺は宿坊になっています。
平成16年(2004)7月には「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
目次
- 大門
- 高野山金剛峰寺
- 壇上伽藍(だんじょうがらん)
- 中門
- 金堂
- 根本大塔
- 高野山霊宝館
- 高野山大師協会
- 女人堂(にょにんどう)
- 徳川家霊台
- 高野山奥の院・戦国武将の墓所・弘法大師御廟(こうぼうだいしごびょう)
- 高野山へのアクセス
大門
高野山の入り口にある、高さ25.1mの丹塗りの大門です。正式名称は金剛峯寺大門。
現在の門は宝永2年(1705)に再建されたもので、左右には巨大な金剛力士像が安置されています。
この金剛力士像は、江戸中期に活躍した大仏師・運長と康意が作ったもので、東大寺南大門の仁王像に次いで国内2番目の大きさの像なのだそうです。
国の重要文化財に指定されています。
高野山金剛峰寺
正式名称は高野山金剛峰寺。東西60m、南北約70mの主殿(本坊)をはじめ様々な重要文化財が並ぶ寺院です。境内の広さは総坪数48,295坪。
日本一の枯山水の庭園「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」が特に有名ですね。
境内には他にも、重要な儀式・法要が執り行われる広間や建造物などがたくさんあります。
◆拝観時間 8:30~17:00
※受付は16:30まで
◆拝観料 大人/500円、小学生/200円
未就学児は無料
壇上伽藍(だんじょうがらん)
高野山の中核となる部分で、古くから奥の院と並んで信仰の中心地として大切にされてきた聖域です。
中門
金堂の正面手前にそびえる楼門。
壇上伽藍は天保14年(1843)に火災によって、西塔のみを残し焼失してしまいました。この中門も、その際に失われましたが、平成27年、高野山開創1200年を記念して170年ぶりに再建されました。
金堂
平安時代半ばから、高野山の総本堂として重要な役割を果たしてきたお堂。
高野山開創時の最初期に建てられたお堂で、講堂と呼ばれていました。現在の建物は昭和7年(1932)に再建されたものです。
◆拝観時間 8:30~17:00
◆拝観料 200円
根本大塔
空海が描いた真言密教の世界、その根本的理念を表したシンボルとして建てられた建造物で、内部には四仏が祀られ、曼荼羅世界を具現化しているとされています。
壇上伽藍の中心かつ、高野山全体の修行場の中心でもあり、真言密教における根本となる場所とされています。
◆拝観時間 8:30~17:00
◆拝観料 200円
高野山霊宝館
高野山に伝えられている仏画・仏像などの、国宝に指定されている貴重な文化遺産を保護・展示している施設です。高野山でも数少ない大正建築で登録指定文化財に指定されています。
◆営業時間
8:30~17:30(11~4月は17:00まで)
定休日 年末年始
◆入館料
大人/600円
高校生・大学生/350円(※学生証提示必須)
小学生・中学生/250円
※共通内拝券などのお得な券もあるので詳しくは公式サイトをチェック!
【お問い合わせ先】
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山306
TEL:0736-56-2029
高野山大師教会
高野山真言宗の総本部。各種研修会や講習会が開催され、写経体験や授戒※体験なども行われています。
大講堂は大正14年(1925)、高野山開創1100年記念として建立されたもので、本尊には弘法大師が祀られています。
※授戒…仏さまの示された戒めの教え(戒)を授かり法話を頂く儀式、修行の一つ。
◆受付時間
- 写経 8:30~15:00
- 御授戒 9:00~16:00
※諸行事により実修ができない日もあるので詳しくは公式サイトを確認するか、問い合わせてください。
◆料金 写経奉納/1000円、授戒/500円
【お問い合わせ先】
高野山大師教会
〒648-0294 和歌山県伊都郡高野町高野山347
TEL:0736-56-2015 FAX:0736-56-4502
ちなみに、霊宝館・大師協会でも御朱印が頂けます。
左:高野山・大師教会/右:高野山霊宝館・紫雲殿の御朱印
たくさんのお寺が点在している高野山ではなんと約200種類の御朱印があるのです!
すべてコンプリートするには一日ではとても足りないので、何回も高野山を訪れる必要があるのです。その為、御朱印をいただきに行く際は、事前にどこにどんな御朱印があるか調べてから回った方が良いでしょう。
女人堂(にょにんどう)
女人禁制により、女性の立ち入りが厳しく制限されていた頃に、各登り口に設けられた参籠所。
現在の女人堂は唯一現存する建物です。
◆拝観時間 8:30~17:00
◆拝観料 無料
徳川家霊台
寛永20年(1643)に徳川三代将軍・家光によって建立された、徳川家康と秀忠を祀っている2棟の東照宮。
東照宮というのは徳川家康を祀る神社のことをいいます。向かって右側に東照宮家康公霊舎(おたまや)、左に台徳院秀忠公霊舎があります。
◆拝観時間 8:30~17:00
◆拝観料 200円
高野山奥の院
高野山一の観光スポットとしても非常に人気がある高野山奥の院は、世界遺産にも指定されている聖域。
高野山の信仰の中心で、空海が入定(※1)したと言い伝えられている御廟(※2)があります。
※1入定(にゅうじょう)…神を統一して煩悩を去り、無我の境地にはいること。真言密教の究極的な修行の一つ。
※2御廟(ごびょう)…霊廟(先祖の霊をまつった建物)を敬っていう語。
一の橋から御廟まで約2kmの道のりには、おおよそ20万基を超える祈念碑、慰霊碑、戦国武将の墓石などの石塔が杉木立の中にズラリと立ち並んでいます。
戦国武将の墓所
この御廟へ続く参道には、数多くの戦国武将の墓が点在しています。
織田信長、豊臣家、徳川家、武田信玄・勝頼、上杉謙信、明智光秀、石田三成、伊達政宗など…有名な武将の名が連なっています。
石田三成の墓所
伊達政宗の墓所
上杉謙信の墓所
奥の院はかなり広いので、すべて見て回るにはかなりの時間を要します。
事前に場所を調べたり、ルートを決めておいた方がスムーズに墓所を回ることができますよ。観光協会に奥の院の地図が置いてあるのでそちらも参考にするとよいでしょう。
弘法大師御廟(こうぼうだいしごびょう)
弘法大師こと空海が入定した御廟。
御廟は御廟橋の向こうにあり、神聖な霊域な為、橋の手前からは撮影禁止となっています。
御廟橋を渡った先には、燈籠堂(とうろうどう)があり、さらにその先を進んでお堂の裏に回り込むと弘法大師御廟があります。
御廟の中では、今でも空海が生きて瞑想を続けているとされていて、入定後から現在までの約1200年間、毎日食事が届けられています。この「生身供(しょうじんぐ)」と呼ばれる儀式は1日2回、一般参拝客も見ることができます。
生身供の様子
◆奥の院御供所 8:00~17:00まで
(11~4月は8:30~16:30まで)
◆燈籠堂開扉時間 6:00~17:30
※元旦は午前0:00~2:00頃まで再度開扉、8/13の萬燈供養会(まんどうくようえ)・10/1~3の萬灯会には19:00~21:00まで再度開扉、にも午後7時から午後9時まで再度開扉されます。
高野山へのアクセス
◆所在地
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町
◆電話番号
0736-56-2616 (高野山宿坊協会)
≪電車≫
南海高野線 極楽橋駅下車
南海高野山ケーブルで高野山駅へ

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