
日本には、コンビニの数よりも多いと言われているほど、全国各地に神社がたくさんあります。
なぜそれほど多くの神社が生まれ、今の時代まで受け継がれ残ってきたのか――。
改めて考えてみると、それは人々の「祈りの心」が時代を越えて今日まで繋がり、そうさせてきたに違いありません。
そこで今回は、おみくじの中から見つけた「祈り」にまつわる言葉を、皆様にご紹介していきたいと思います。
——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、心を支えてくれるおみくじを皆様とシェアします。
目次
- 「祈る心」が救うもの
- おみくじ日記① 心身を浄める
- おみくじ日記② 神様から心を離さない
- おみくじ日記③ あちらこちらにいる神様
- おみくじ日記④ 心身を「祓う」ということ
- おみくじ日記⑤ 祈りの心
- 祈りの心を育てるために
「祈る心」が救うもの
世の中で起きる出来事やニュースを見ていると、これほど平和な国の中であっても、日々人の心には哀しみや憤りが生まれているのだということに気づかされます。
そんな時こそ、私たちは心身を立て直すために、何かしらの術が必要になります。
その方法は、もちろん人それぞれにぴったりのものがあることでしょう。
巫女である私の場合は、もちろん神社でゆっくりと過ごし、自分の心と向き合うことです。
悩んでいるときや心が疲れているときほど、私はおみくじで神様と対話をしたいと思っています。
もし、これを読んでくださっている方の中にも、神社でのひとときやおみくじが心を整える力になる方がいれば、とてもうれしく思います。
ぜひお気に入りの神社や気になる神社に、ご参拝いただければ幸いです。
おみくじ日記① 心身を浄める
当たり前の言葉に思えるかもしれませんが、今の時代、体の健康はもちろん、心の健康の重要性を感じずにはいられません。
近年は、やっと精神的な健康の大切さが考えられるようになってきたところかもしれません。
確かに、体の健康は病院などで検査をすることが当たり前で、体の状態を調べる方法や健康を保つための知識も豊富に見つけることができます。
しかし、心の健康については目に見えない部分ですし、状態を客観的に調べる術もそれを活用するチャンスも、限りなく少ないのが現状です。
改めて、自らの心の健康のためにできることをきちんと準備しておくことが、バイオリズムのある人生を生き抜くために不可欠なことかもしれません。
心と体の両方を、健全で正しい状態にしておくことで、「幸福への道」を歩き続けられるようにしたいものですね。
心が弱ってきた時こそ、神社で「祈り」のひとときを持ってみてはいかがでしょうか。
おみくじ日記② 神様から心を離さない
生きていれば、たった一日の中でも、さまざまな気持ちの上がり下がりが生まれるものです。
それが一ヶ月、一年と長い目で見てゆけば、当然晴れの日も雨の日もあり、「変化」こそが私たちの心を絶えず揺り動かしているとも言えます。
ただ、決して変わらないものがあるとすれば、神様が与えてくださっている贈り物なのではないでしょうか。
これらは、私たちが「当たり前」と思ってしまえば、なんてことのない毎日に埋もれてしまうことばかりかもしれません。
今、自分の周りにある「感謝」については、いつだって神様への「祈りの心」が思い出させてくれる気がします。
反対に心が神様から離れてしまえば、その隙間から、さまざまな不安や暗い気持ちが広がりやすいもの。
いつでも、神様と自分自身を信じて祈る気持ちを忘れずに、生きていきたいものですね。
おみくじ日記③ あちらこちらにいる神様
日本の神道は、八百万の神様を信仰する、独自の文化を根ざしてきました。
それは、あらゆるものの姿の中に神様を感じて、一つひとつを大切にする精神を教えてくれています。
その心は、まさしく「謙虚」という言葉がふさわしいと思います。
「謙虚」というのは、自分を人より劣ると「卑下」することでもなく、自分の価値や能力を低く評価する「謙遜」とも違います。
あらゆる「神様」の前で控え目で素直な心――すなわち「謙虚」でいることが、生きる中で感謝を思い出させ、より多くの幸福に気がつけるのかもしれませんね。
おみくじ日記④ 心身を「祓う」ということ
神道の祭典は、「祓いに始まり、祓いに終わる」と言われています。
神様の前に立つとき、私たちは等しく心身を祓い清めて、できる限り純粋な気持ちになることが必要なのですね。
「純粋さ」とは、「自分が、自分が」と我を張ることをやめて、ありのままを受け入れながらも、前を向いて生きることなのではないでしょうか。
自分の行いや言葉は、すぐにではなくとも、必ず何らかの形で返ってくるもの。
神様から応援していただける人生にするためにも、祓いの気持ちを、折々に思い出していきたいところです。
おみくじ日記⑤ 祈りの心
何事にも共通して言えることかもしませんが、どんなことも、まずは「やってみる」そして「続けてみる」ことで見えてくる景色があります。
逆に、「やってみない」「続けてみない」うちは、誰が何を言っても説得力がありません。
自分が信じてみたいと思ったことは、できるだけピュアな心になって、その懐に思い切って飛び込んでみるのが一番なのではないでしょうか。
神様は目には見えない存在ですから、「本当にいるの?」と疑ってしまう人も、決して少なくないと思います。
しかし、神様を頼りたくなる心が少しでもあるなら、「祈り」のひとときを実践してみてください。
その時間の積み重ねが、少しずつ心のもやを取り去って、本当の意味での「神様のお導き」を実感できる瞬間が訪れることでしょう。
だからこそ、その入り口として私たち神職や巫女が、広く「祈りの心」の大切さを伝えていかなくてはならないな……と、しみじみ感じています。
祈りの心を育てるために
私が本当の意味で「神社の魅力」「神道の奥深さ」に気づき始めたのは、実は社会人になってからでした。
それこそ、壁にぶつかることや道に迷うことも増え、自分の心を雑に扱ってしまっていたこともありました。
しかし、胸の中に芽生えた「好きだな」「素敵だな」「不思議だな」といった気持ちが、神社で過ごす時間と祈りのひとときを積み重ねることに繋がっていったようにも感じます。
巫女としてご奉仕するご縁をいただき、こうして執筆する機会を授かったからには、ひとりでも多くの方が神様と心を通わせるきっかけが作れたら幸せです。
皆様にとっても、「祈りの心」がその人生を支える力になりますよう、心より願っております。

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。
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