日本の国に古くより伝わる「宗教」であると共に、自然そのものに対する「畏敬」の姿でもあり、身近な生活の中に息づく「文化」として――。
さまざまな側面から、日本人の心に深く根を張っているのが、今日まで受け継がれてきた「神道」の姿です。

 

あなたもまるで「当たり前の習慣」であるかのように、お正月になれば初詣へ出かけてお詣りをしたり、幼い頃には家族に連れられ初宮詣や七五三などで神社に出かけたりしたのではないでしょうか?

これほど食に恵まれ、物にあふれた現代社会においても、私たちは「生きること」の中で迷い悩むことが多いもの。多くの人が、心のどこかに自分を支えてくれる「道標」や「拠り所」を求めているような気がします。
そんな時、身近な「神社」に安らぎを求め、「神様」という目には見えない存在を信じて祈る人も少なくありません。

今回は、そんな皆様に心の中の御守りとして、そっと持っておいていただきたい「言葉」をご紹介させてください。
それが、神道の価値観として神職や知識人・学者によってまとめられた「敬神生活の綱領(こうりょう)」というもの。
この言葉は、神職の道を志す人が学ぶ本格的な内容なのですが、神様を信じるすべての人に伝えたいと願うような、奥の深い素敵な言葉です。

 

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、「敬神生活の綱領」の意味と魅力について、できるだけ解りやすく解説したいと思います。

 

目次

  • 「敬神生活の綱領」全文
  • 「敬神生活の綱領」の意味解説
  • 前文の意訳
  • 三つの項目の意訳
  • 神道(神様の存在)は私たちの「心の羅針盤」

 

「敬神生活の綱領」全文

 

 

 

 

神道は天地悠久の大道であつて、崇高なる精神を培ひ、太平を開くの基である。神慮を畏み、祖訓をつぎ、いよいよ道の清華を発揮し、人類の福祉を増進するは、氏名を達成する所以である。ここにこの綱領をかかげて、向ふところを明らかにし、実践につとめて、以て大道を宣揚することを期する。

 

一、神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以て祭祀にいそしむこと
一、世のため人のために奉仕し、神のみこともちとして世をつくり固め成すこと
一、大御心をいただきてむつび和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄とを祈ること

 

 

「敬神生活の綱領」の意味解説

 

 

 

 

「敬神生活の綱領」は、前置きとなる前文と三つの項目から構成されている、「神様を信じる人のための目標」のようなもの。

上記の全文をただ文章として目で追いかけてみると、なにやら大変崇高な内容が、難しい言葉でつづられているように見えてきませんか?
「よく解らないけど、なんかすごそう……。私みたいな一般人には無理かも」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

でも、この言葉はよくよく読んでみると、「神様を信じて心健やかに生きてゆくこと」の神髄が書かれていて、神職でない一般の人であっても、なんとなく大切に額に入れて壁に掲げておきたくなるような重要な意味を伝えてくれているんです。

 

そこで、ここからは畏れながら、少しずつ「敬神生活の綱領」の内容を分解し、誰にも解りやすく身近な言葉に置き換えて意訳させていただきたいと思います。
素敵な部分を見つけたら、ぜひあなたも言葉に心の栞を挟んで、その胸で神様への信仰を深めるきっかけにしていただけたらと思います。

 

 

前文の意訳

 

 

 

 

 

神道というのは、この世界の天地と共に永遠の時の中に生まれ存在する、人の歩むべき正しい道を教えてくれるものです。
私たちはこの道から、気高い精神を磨き、心を育て、世の中の平安を築くための基礎を得るのです。

神様の御心を敬い、祖神(ご先祖さま)の教訓を受け継ぎ、神道の教える「道」を究めることで世の中をさらに善いものにしてゆくことが、神様を信じる人が持つべき使命を果たすことになります。

ここに、この綱領(基本的指針)を掲げて、目指すところを明確にし、実際に行動や努力を積み重ね、世の中で正しい道を進んでゆきましょう。

 

――いかがでしょうか?

この「前文」の部分は、ざっくりと要約するとしたら「神道(神様の存在)が私たちに教えてくれるのは、“人々がいかに生きるべきか”という、大きな意味での心が目指すべき道なんですよ」と、伝えている文章だと言えるでしょう。

 

 

三つの項目の意訳

 

 

 

 

一、この世におわす八百万の神々が与えてくださる恵み(人ばかりでなく、生きとし生けるすべての存在が、自然――すなわち神々のお力や働きによって生み育てられていること)に感謝して、これまで命をつないできてくださった祖先の存在に対する御恩を忘れず、
明るく清らかな真実の心を持ちながら、神様をお祀りして自身のつとめを果たしましょう。

一、自分のことだけを考えて利己的に行動するのではなく、世のため人のためになることをして役立ち、神様の御心(授かった言葉や意思)を実践する者のひとりとして、この混沌とした世の中を秩序あるものに変えてゆくための努力をしていきましょう。

一、神様の御心(お考えや真意)を心の中に受け取って、人と人とが仲睦まじく和やかに、平和を大切に暮らしながら、国の発展・繁栄と、世界中の人々が共に協力しながら皆で栄えてゆくことを祈りましょう。

 

――このように見てゆくと、とにかくこの文章が私たちに語りかけていることは、「“神道”という存在を使って、誰もが“善い生き方”を実践できるようにがんばっていきましょうね」という、とてもシンプルでありながら大切なことなんです。

 

神道(神様の存在)は私たちの「心の羅針盤」

 

 

 

 

神様を信じる人が、心の中に持ち続けたい「敬神生活の綱領」。
私たちはこれを言葉として「理解」することはできたとしても、実際にいついかなるときも「実践」することができているか――と問われたら、どんなにできた人であっても「完璧」とはいかないものだと思います。

時には、己の心の弱さに負けてしまうこともあるものですし、だからこそ「人」として生まれて、この世を生きながら学んでいるのではないでしょうか。
それでもこうやって「目指すべき姿」を胸の中に持っている人と、まったく何も羅針盤を持たずに過ごしている人では、「生き方」が大きく異なってくるはずです。

 

神道の世界には、こんな奥の深い魅力的な言葉があるのだということを、ぜひあなたの心の中にも留めておいていただけたら嬉しいです。
その心の羅針盤はいつだって神様と結びつき、お導きをいただくことができる、特別な御守りになるはずですよ!

 

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

◇facebook  https://www.facebook.com/profile.php?id=100023060416102 
◇twitter  @konnoumi 

◇Instagram https://www.instagram.com/konno_umi/ 

あなたへのおすすめ