新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響で、日本でも全国的な「緊急事態宣言」が発令される運びとなりました。これにより、人々の間ではさらなる外出自粛強化が叫ばれ、その期間もかなり長期化することが確実となってまいりました。多くの店舗や施設ばかりでなく、その影響は神社仏閣にも確実に及んでいます。

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、新型コロナウイルス感染症に揺れる今だからこそ、さまざまな苦難に耐え抜く皆様に届けたい想いを書きました。

目次

  • これまで、多くの神社がしてきたこと
  • さまざまな決断の中で
  • 人々の、心の支えで在り続けること
  • 自粛の中でも、祈りと感謝を忘れない
  • またいつか、神社で会えますように

 

これまで、多くの神社がしてきたこと

 


 

新型コロナウイルスが日本で蔓延し始めた当初から、いくつかの神社はすでにご参拝の皆様に対する感染リスクを考えて、多様な対策を講じるようになっていました。

これまではあまりないことだった、神職や巫女のマスク着用による社頭対応。
不特定多数の人が使用する手水舎の柄杓(ひしゃく)を撤去して、代わりに流水による直接のお清めや、消毒液が手に入った神社では手水の代わりにそれを使用したお清めの推奨。御神前に鈴があれば、それを取り外してしまう神社も。

御朱印帳の受け渡しを通じたウイルス感染のリスクを避けるため、御朱印は書置きをお渡しするのみの対応をするなど……私が知る限りでもさまざまです。

 

伝統的な大きい祭典も、人が集まることによる感染拡大を防ぐために、最小限に縮小をして神社関係者のみでお祀りを行うことを決める神社もありました。
多くの人が楽しみに、長い期間をかけて準備を行ってきたような催し物も、涙を呑んで数多く延期や中止の決断が下されてきたようです……。

そもそも神社は多くの場合屋外に社を構えており、周囲は開けて杜があるなど、「三密(密閉・密集・密接)」からかなり遠い場所であるとも言われています。
それでも、一人ひとりが神様から授かった、大切な人の命を守るためです。それぞれの神社ではおそらく話し合いが行われ、できる限りのことが決められてきたことでしょう。

さまざまな決断の中で

 


 

そして、遂に首相による「緊急事態宣言」が発令されることとなってからは、さらに厳しい決断を下した神社も少なくありませんでした。

それは自由参拝こそ可能であっても、社務所を閉鎖し、御守り・御朱印の授与や昇殿祈祷受付の停止。さらには、一般の参拝者の受け入れを中止し、中で日々の「日供祭(にっくさい)=毎朝行われる神様へのお供えと祈り」などといった、最小限の祭事のみを限られた職員だけで行うというケースもあります。

このような決断の数々は、神社の長い歴史の中でも異例のことばかり。ですが、私たちがそれだけの「危機」に直面していることを突き付けてくる、れっきとした「現実」なのです。

 

この状況下にあっても、神社と神様へのお祀りを続け、祈り続けている神職や巫女たちももちろんいて、神社はいかにして「神様(神社そのもの)」と「人々」を守るか、今も懸命に考えながら進んでいることでしょう。

今はどの業界においても、「どの決断がよくて、どの決断が悪いか」ということに目が向きやすいものですが、とにかく関わる人たちが懸命に「命」と「お役目」について考え相談しながら、協力しあってこの危機を乗り越えるのが大切なことだと感じます。

人々の、心の支えで在り続けること

 


 

神社の大切なお役目は、第一に「神様のための場所」として、八百万の神々のためにお祀りを行うことです。
そして第二に、私たち「人間にとっての心の拠り所となる場所」で在り続けるという、大切な使命もあります。

いつまでこの状況が続いてしまうのか、不安が世の中全体を覆い隠しているこの頃……。心の支えとして、いつも以上に神社に足を運び、神様に祈りを捧げようと思った方も多いはずです。

しかしこの異例の事態に、「あえて人を遠ざける選択」を選ばざるを得なかった神社にとっては、大きな賭けでもあったことでしょう。
つまり、この「参拝自粛」の流れを受けて、人々の心が神様から離れてしまうのではないか……という懸念があるのです。

そもそも、神職や巫女の役割とは、神様と人々との間を「中取り持ち」するという存在。そのためにも、神社が一人ひとりの心に「身近な場所」であり続けるための努力も、とても大切にしています。

近年は御朱印のブームなどもあり、年配の方から若い方まで幅広く、神様を慕い「神社」に足を運んでくださる方が増えつつありました。
それが、今回の自粛をきっかけに参拝者が減り、人々の信仰心が薄れてしまわないかという不安も拭い切れないのです。

自粛の中でも、祈りと感謝を忘れない

 


 

ひとりの巫女として私が願うのは、どうか一人ひとりが心の中で、神様の存在と日々の小さな幸せに対する感謝を忘れずにいてほしいということです。
以前、家庭のまつりとして「神棚」についての記事を書かせていただきましたが、自宅で過ごす時間が長くなったであろう今こそ、お家に御札をお祀りしてみてはいかがでしょうか?

先の見えない不安が、まだまだ続くことでしょう。少しでも心の安寧を保つために、きっと「神棚」の存在が大きな心の支えになるはずです。
朝と夕と、神棚の前で手を合わせ、自分と大切な人が今日も無事に過ごせたことに感謝をお伝えしてみてください。

 

「神棚」がなくとも、「御守り」や「御朱印」を通じてでもいいのです。姿形の見えない神様とは、そもそも心で繋がることができます。真摯な祈りの想いは、どこからであっても、きちんと届いているはず。
そしてその祈りの繰り返しは、必ず揺れ動きやすい私たちの心を整えて、また明日を生きる希望に繋がってゆくことでしょう。

またいつか、神社で会えますように

 


 

そして、いつの日か。
この自粛の日々から解放されたなら、ぜひ、あなたの家や職場のお近くにある神社や、あなたにとって思い入れの深い神社に足を運んでください。

その時、確かに手の中に残っているたくさんの幸せを、一つひとつ拾い上げながら、神様に感謝をお伝えしてみましょう。
真っ直ぐな心を神様の存在に照らしてみれば、どんな世界の中においても、きっと明るい道は見えてきます。

どうか、あなたの心が、決して神様から離れませんように。
 

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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