皆さんは、神社で「御祈祷」を受けたことがありますか?
日常的に神社に足を運んでいるという方でも、特別に祈願をしてもらうという機会は、多くないかもしれません。

ですが、強く切実な願いや想いを神様に届けるのなら、より神様のおそばで祈ることができる「御祈祷」をお願いしてみてはいかがでしょうか?

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、神社で受けることができる御祈祷について、種類や内容、基本のマナーまでご紹介していきましょう。

目次

  • 「祈祷・祈願」は神様の近くで祈りを届ける手段
  • 願意(がんい=願い事)のいろいろ
  • 実際にどんなことをするの?
  • 御祈祷の基本的なマナー
  • 「祈祷・祈願」は清々しい祈りのひととき

「祈祷・祈願」は神様の近くで祈りを届ける手段

 

通常のお詣りでは「拝殿(はいでん)」で手を合わせ、自分一人で祈ることが多いかと思います。あまり知られていないことかもしれませんが、これは「略式」の参拝。
実は、神社における「正式参拝」と言えるのが、今回ご紹介する「祈祷・祈願」です。本殿内に上がって行える参拝であることから、「昇殿(しょうでん)参拝」とも呼ばれています。

これは、基本的にどなたでも受けることができる、一般の方にとっても身近な神事のひとつです。
人は誰もが人生の中でさまざまな願いや想いを抱えて、その祈りを神様に聞き届けていただきたいと考えるものでしょう。
また、神様へのお願いが聞き届けられたことを自覚して、その感謝の気持ちをお伝えしたいと強く願う瞬間もあるはずです。

そんな時、いつもよりもっと神様の近くに行き、心の想いを届けたい方のために、このような手段があります。

願意(がんい=願い事)のいろいろ

 

具体的には、神社でどのようなお願いができるのでしょうか?
もちろん、そのすべてをというわけにはいきませんが、一般的なその内容を簡単にご紹介していきましょう。
あなたも神様に届けたいお願い事があるかどうか、見てみてくださいね!

●厄除開運/厄年の人のための、厄を祓って開運を祈るもの
●家内安全/家庭内の安全や、災い除け、繁栄を祈るもの
●心願成就/心の中にある願いが、成就することを祈るもの
●除災招福/身に起こる災いを退けて、福を招いていただくよう祈るもの
●身体健全/心も体も、健全に過ごすことができるように祈るもの
●商売繫盛/携わっている商売が、繁盛することを祈るもの
●病気平癒/かかっている病や怪我が、治ることを祈るもの
●学業成就/学んでいるものを、しっかりと修得できるよう祈るもの
●合格祈願/試験や受験などに際して、合格できるように祈るもの
●交通安全/交通事故に遭わないように、無事を祈るもの
●自動車清祓/新車の安全や、事故に遭った車などの祓い清めをするもの
●旅行安全/旅行に際して、その安全が守られるように祈るもの
●縁結祈願/よいご縁が、結ばれることを祈るもの
●子授祈願/子どもを授かることができるように、祈るもの
●安産祈願/母子ともに健康で、子どもが無事に生まれるよう祈るもの
●初宮詣/生まれて初めての赤ちゃんの正式参拝で、その成長を祈るもの
●七五三祈願/子どもが節目の年を迎えることができた報告と、感謝を祈るもの
●ランドセル祈願/就学前にランドセルを祓い清めて、通学の安全を祈るもの
●結婚奉告/夫婦が結婚したことを、御神前に奉告するもの
●成人奉告/無事に成人を迎えたことを、御神前に奉告するもの
●神恩感謝/神様からいただいたご恩について、感謝を捧げ祈るもの
●国家安泰/日本の国の安泰と、繁栄を祈るもの
●地鎮祭(※)/建築前にその土地の神様をお祀りし、工事の安全を祈るもの
※このような御祈祷は「外祭(がいさい)」と言って、神社ではなくその場所に神職が出向く形で行われる。

 

 

実際にどんなことをするの?

 

それでは、「御祈祷」では実際にどのようなことを行っているのでしょうか?
細かい部分は神社によっても異なることがありますが、願いを届けてもらう側の人は、特に難しいことをするわけではありません。
大まかな流れは、このようになっています。

御祈祷の流れ

 

① 受付
社務所や授与所などにある受付の窓口で、申込用紙を書くなどして、希望する願意の祈祷の申込受付を行います。

② 昇殿
案内に従って、本殿内に上がります。
坐礼(ざれい)と言って正座をする場合もあれば、立礼(りゅうれい)と言って胡床(こしょう=椅子)に座る場合もあり、これは神社によっても違います。

③ 修祓(しゅばつ)

 

神事を行う際には、神職がその都度儀式の案内をしますが、まずは祓い清めの儀である修祓が行われます。
神職が大幣(おおぬさ)というものを左右に振ってお清めをしますので、頭を下げます。

④ 祝詞奏上(のりとそうじょう)
神様にお仕えする神職が皆様の代わりに、祝詞という「神様に伝えるための言葉」を奏上し、正式な作法で一人ひとりの名前や住所、願い事について述べていきます。
その最中も頭を下げながら、心静かに神様に想いが届くよう祈りましょう。

⑤ 玉串拝礼(たまぐしはいれい)

榊の枝でできた「玉串」を、御神前に供えます。
神職から具体的な作法の案内があると思いますが、玉串は右手で根元、左手は下から支える形で受け取り、それを90度右に回転させて根元を自分の方に向け、祈りを込めましょう。
その後左手と右手の上下を入れ替えて、180度右回転させて、玉串の根元を神様の方向に向けてお供えします。
その後、二礼二拍手一礼で拝礼します。

⑥ 御神酒(おみき)・授与品
御祈祷が終わると、最後に御神酒をいただき、神様からの御力を体の中に受け取ります。
これは「直会(なおらい)」と言って、神様と人とが同じものを口にする「神人共食(しんじんきょうしょく)」の儀。
また、御札や御守りなどの授与品も受け取って、御祈祷は終わりとなります。

御祈祷の基本的なマナー

 

■予約の有無
御祈祷の申込みは、社務所が開いている時間であれば、随時受け付けている神社が多いです。ただし、会社など大人数での団体祈祷の場合は、あらかじめ神社に連絡をして予約を行った方がよいでしょう。
また、神前結婚式を行っている神社の場合は、その時間帯に御祈祷をお願いすることができないケースもあります。
もちろん、個人祈祷であっても予約が必須な神社もありますから、事前にウェブサイトや問い合わせなどで確認をしておくことをおすすめします。
当日は、あまり遅くならない時間(午前中がおすすめ)を狙って、時間に余裕を持って出かけましょう。

 

■用意する物

 

受付の際に、神社の定める祈祷料を奉納しましょう。(神社によって参千円、伍千円、八千円、壱萬円など。金額に応じて授与品の内容が変わってきます)
これは神様にお供えするものなので、できれば現金をむき出しのままではなく、あらかじめのし袋に入れて準備をしておくことが望ましいですね。
「初穂料」「玉串料」という表書きに、依頼する施主の名前を記入します。

服装

 

御祈祷は神様の前に立つということですから、できるだけきっちりとした服装を心がけましょう。
スーツや着物などが望ましいですが、露出が多すぎたり派手であったり、あまりにもだらしない恰好でなければ大丈夫です。
夏場は特に注意が必要ですが、サンダルを脱ぐと素足になってしまうのも失礼に当たりますので、気を付けましょう。
とても大切な目上の方のお宅にお邪魔するときに失礼の無い身だしなみ、というイメージでいけば間違いはないと思います。

御札の祀り方

 

御祈祷を受けて授かった御札は、神棚がある場合はそちらにお祀りし、ない場合も目線より高い相応しい場所を綺麗にして丁重にお迎えしましょう。
御札は、南か東を向くように(北か西を背にして)お祀りします。
神様が御札を通じて、ご家庭であなたやあなたの家族を見守ってくださいます。
およそ一年経つか、願いが無事に叶ったら、その御札は受けた神社にお戻しして御礼参りをするのがいいですね。

「祈祷・祈願」は清々しい祈りのひととき

 

これまでは「御祈祷」というものが、あまり身近ではなかったという方も多いかもしれません。
でも、私はそんな方にこそ、ぜひ御祈祷を経験してその清々しさを味わっていただきたいと思っています。

御祈祷で上がる場所は、普段祈りを捧げる「拝殿」よりも、さらに神様のお近くである「本殿」という場所。
普段はなかなか足を踏み入れることができない、特別な場所で祈ることができる素敵なひとときです。
神主の朗々と響く祝詞や、玉串を神様に捧げる瞬間など、背筋の伸びる想いで神様と向き合っていることを感じるはず。

たとえば、厄年の厄祓いなどは、より身近な御祈祷の機会かもしませんね。
特別に叶えたい願い事があるときも、神様にそれをお願いして、その御札をお祀りしながら日々を過ごすのも素敵です。

気になるお願い事があれば、ぜひあなたも御祈祷を受けに、神社に出かけてみてくださいね!


平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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