神社における、作法やマナー。
これは学校で習うわけでもないですし、詳しい人が周りにいなければ、誰に教えてもらうこともないまま……ということが多いもの。
なんとなく聞いたことのあるルールのようなものや、見よう見まねで覚えたことを思い出しながら神社参拝を行っているという方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

でも、あまり難しく考えすぎなくてもいいのです。
神社という場所が、数多くある「神様のお住まいのひとつ」であるという気持ちと、それを考えたときに失礼の無い行動を心がける、その気持ちが第一歩。
そんな風に、捉えてみてはいかがでしょうか?

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、神社の参拝作法を「神様のお宅訪問」に例えながらご紹介していきます。

 

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神社参拝の「暗黙のルール」を覚えるコツ

何かを覚えようとするときは、何も考えずに詰め込んでも、なかなか頭に残ってはくれませんよね。
大切なのは、それを「ルール」として脳に教え込むことではなく、その一つひとつの理由を考えて、想像してみること。

神社というのは、言わば「神様のお家のひとつ」だと言えます。「お家のひとつ」というのは、神様はひとところの神社だけに居られるわけではないからですね。

……そこでイメージしていただきたいのが、「お宅訪問」というシチュエーション。
こうやって捉えてみると、案外わかりやすく、作法の意味合いが掴めるようになってくるはずです。

それでは、実際にあなたが「自分にとってとても大切な方」のお家を訪ねるとして、神社の作法やマナーを考えていきましょう!

鳥居をくぐるときは、一礼でご挨拶をしましょう!

神社を示すシンボルは、「鳥居」で示されることが多いです。なぜなら、鳥居こそが魔除けであり、「神域」の出入り口を示しているから。
つまり、「ここから神様のお宅の敷地が始まりますよ」という、明確な線引きの役割を持っているのです。

人間界のルールでも、普通は他人の家の敷地に、無断で入り込んだりしませんよね。
犯罪になってしまうことだってありますし、そもそも人の空間をズカズカと侵害するというのは、非常に不躾なことです。

人間であれば、そこに足を踏み入れる前には、必ずインターフォンやノックをして「よろしいですか?」「こんにちは、お邪魔させていただきます」と、相手にご挨拶をしますよね。

神様の場合、たとえ私たちからはその姿が見えていなくとも、やってくる一人ひとりの心の中までよく見ておられます。
ですから、鳥居の前では丁寧に一礼をして、心の中で「神様こんにちは、お邪魔いたします」とお伝えしましょう。

たとえば、私は巫女のご奉仕のときも、鳥居の前で「神様お邪魔します。今日もご奉仕に参りました、よろしくお願いします」と心の中で伝えながら、ニコニコお辞儀をしていますよ!

神様にお会いする前に、心身を綺麗にしましょう!

これも「神道や神社の世界の基本」としてよくお伝えしている、非常に重要なことなのですが、神様は「清浄」をとても大切にされます。
「清浄」とは、つまり、清らかで穢れのないこと。

そこで、神聖な場所である神社に私たち「人間」が入るときは、その空間を汚したり荒したりすることがないように、くれぐれも気を付けなくてはなりません。
人の家に、不潔な状態で上がり込めば、当然嫌な顔をされてしまいますよね。

神様にお会いする前には、必ず「手水舎(てみずしゃ・てみずや・ちょうずや)」という場所で心身を清めるようにしましょう。
たいていの神社には、拝殿にたどり着く前に、水が溜められた水鉢や柄杓(ひしゃく)のある「手水舎」があります。

人間は誰しも、生きているうちに、意識的にも無意識的にもさまざまな罪や穢れを背負ってしまうもの。
神様にお会いする前に、手水という「禊(みそぎ)」の儀式を行うことで、その罪穢れを水の持つ「浄化の力」で洗い流すのです。

手水の具体的な作法については、また改めて別の機会にご説明することにしますが、これを忘れずに行ってくださいね!

お詣りでは、自分がどこの誰かを名乗りましょう!

さて。いよいよ神様に、直接のご挨拶やお願いを申し出る場面が、御神前で手を合わせるひとときになります。

この時に、ついやってしまいがちなのは「いきなり自分のお願い事を神様に投げかけてしまう」ことかもしれません。

でも、想像してみてください。
あなたのお家にいきなり誰かがやってきたと思ったら、名乗りもせずに「どうか恋人ができますように、よろしくお願いします!」などと、突然お願いされたらどうでしょうか?

そもそも、「自分がどこの誰かという情報(名前と住所)」と「基本的な挨拶」とがあって、その後に「お願い」という順序を踏むのが礼儀だという気がしませんか?

もっと丁寧にするとしたら……。
「今日はご挨拶できる機会をいただき、ありがとうございます」
「いつも、見守ってくださりありがとうございます」
こんな風に、「お願い」の前に「感謝」が伝えられると素敵です!

参考までに、こんな風にお伝えしてみては、という例文をご紹介しておきましょう。

神様、こんにちは。私は東京都〇〇区……から参りました、××××です。
本日は、ご縁をいただきましてこうしてお詣りができますこと、感謝申し上げます。
私はいつも△△をしていて、今□□のことで悩んでいます。
私も一生懸命がんばりますので、どうかよいお導きやご縁がありますよう、神様のお力添えをお願いします。

あなたがもし、神様の立場に立っていると想像すれば、こんな風に伝えてくれる人のことを「大切にしたい」「力になってあげたい」と感じるのではないでしょうか。

「自分が神様の立場だったら?」と想像することが大切

神様との関係も神社における作法やマナーも、こうして一つひとつ人間の世界と同じように置き換えて考えていくと、実にわかりやすいと思いませんか?
人間同士の間でも、相手の立場に立って考えるという「思いやり」が、お互いの信頼関係を育てていくものです。

時折、神社の中であっても、人間のゴミが放置されていたり、横柄な振る舞いをしている人を見かけたりすることはあります。
でも、そんな時こそ「ここは神様のための場所で、神様がお鎮まりになられている大切な空間だ」ということを、思い出していただきたいのです。

あなたもぜひ、神様に眉をしかめられてしまうような姿ではなく、「素敵な人が訪ねてきてくれたな」と喜んでいただけるような、素敵なお詣りができるようになってください。
神様はそんな心根の人のことを、気持ちよく応援してくださるはずですよ!

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平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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