日本人の中で、これまで一度たりとも「神社に行ったことがない人」というのは、ほとんどいないのではないでしょうか。
新年の初詣などはもちろんですが、多くの方が幼い頃から家族に連れられて、初宮詣や七五三詣を経験されたのではないかと思います。

そう。私たち日本人にとって神社という場所は、「人生」を彩るたくさんの文化と、あまりにも身近な存在だと言えるのです。

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、今回はさまざまな節目においての、神社にまつわる「人生儀礼」をご紹介していきたいと思います。

人生の「まつり」のいろいろ

初宮詣、七五三詣、入学や卒業、成人式、結婚……。
ひとりの人がこの世に誕生し、長い人生を生きていく中では、「おめでたいこと」として神社に足を運んで、お祝いをする機会がたくさんあります。

それに、厄除け・厄祓いなども、人生の「大事な時期」と言える年に神様の御力で心身を守っていただくという、大切な「節目」としての意味があるわけです。

このように、日本の文化として伝統的に伝わる「人生儀礼」の行事には、きちんとそれを神様へ御奉告(=神様に謹んでお伝えすること)するならわしが受け継がれています。

私たちが健やかに生きてゆくためには、世の中に存在する自然・土地・人との、あらゆる「ご縁」が欠かせません。
それらを与え、結んでくださっている神様に対して、「ありがたい」と思う気持ちを忘れないこと。そして、その感謝をお伝えする「機会」としても、人生儀礼はあるのです。

そんな大切な「まつり」について、一つひとつご紹介していくことにしましょう。

 

初宮詣

子どもは「子宝」とも言うように、神様から授かる「宝物」です。
お母さんは、お腹に小さな命を宿している頃から「安産祈願」で神社を訪れていたりもしますから、赤ちゃんが無事に生まれてきた暁には、そのことを神様に改めて御奉告し、ぜひとも御礼をお伝えしましょう。

生後30日から100日前後の間に、赤ちゃんが初めて「正式な外出」を行うのが、この「初宮詣」という神社参拝で、「お宮まいり」や「初宮まいり」という言い方もされます。
赤ちゃんに晴れ着を着せて、氏神様(=住まう土地の神様)のもとへ出かけ、その子も「氏子(=神様の子ども・その土地の一員)」として認めていただくという意味があります。

「おかげさまで、元気な赤ちゃんが生まれました。本当にありがとうございます。この子も神様の子どもとして、その人生を見守っていただき、ご加護をいただけますように」
そんな祈りを届けるための、「はじまり」のお詣りです。

七五三詣

昔は、幼い子どもが大きくなるまでに、病気などで命を落としてしまうことが少なくありませんでした。
医療の整ってきた現代においても、赤ちゃんが無事に生まれて健康に育つことは、かけがえのない「奇跡」のひとつです。

三歳(男女共通)、五歳(男子)、七歳(女子)の節目には、特別な晴れ着に身を包んで、神様のいらっしゃる神社へと家族揃って挨拶に行きます。
これは、これまでの成長に対する感謝と、これから先の無事を祈るお詣りです。

「おかげさまで、子どももこんなに健やかに育ちました。本当にありがとうございます。今後の人生も、どうか、神様の御導きをいただけますように」
そんな願いを込めた、家族みんなの参拝です。

七五三詣についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひお読みください。
知っていますか?神社で祝う「七五三」の意味と由来のはなし

入学・卒業奉告

受験シーズンには、神様のお力添えで実力が発揮できますようにと、多くの方が「合格祈願」に神社を訪れます。
また小学校の入学前には、これから使うランドセルを祓い清めて、登下校時の「交通安全」や「身体健康」そして「学業成就」などを神様にお祈りする「ランドセル祈願」というご祈祷を行っている神社も少なくありません。

子どもたちにとって大切な、学びの場所。その「入学」や「卒業」を御神前で奉告することも、大切な人生儀礼のひとつだと言えましょう。

「おかげさまで、無事に〇〇学校への入学が決まりました。これからの学びの日々も、どうぞあたたかく見守っていてください」
「おかげさまで、無事に〇〇学校を卒業いたしました。これまで、数々のお導きをありがとうございます」
このように、その始まりと終わりには、神様にも丁寧にご挨拶を行ってくださいね。

成人奉告

かつては、13歳から17歳頃に大人の仲間として節目を迎える地域も多かったのですが、現代では20歳を迎えると「成人」として社会的に認められるようになりました。

世の中では「成人式」があり、暮らしている市区町村ごとにお祝いの行事が行われています。
振袖の晴れ着を着た方々が、その記念式典へ参加する姿は毎年テレビなどでも見かけますよね。

ただ、ぜひともその立派な姿を、神社の神様にも見せて差し上げてください。
幼い頃から神様に見守られて生きてきて、無事に「大人」として羽ばたく大切な節目です。神社によっては「成人祭」が行われているところもありますから、氏神様へのご挨拶も忘れずに行っていただければと思います。

「おかげさまで、これまで健康に過ごすことができまして、無事に成人の日を迎えることができました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします」
そんな想いを届けていただければ、きっと神様もお慶びになるはずです。

結婚式・結婚奉告

近年でも人気のある厳粛な「神前結婚式」は、その名前の通り、御神前において夫婦の契りを結ぶ儀式です。
これは、日本の国を生んだ二柱の神様で、夫である「伊耶那岐命(いざなぎのみこと)」と、その妻「伊耶那美命(いざなみのみこと)」が結ばれたものを倣って行う、結婚式の姿。

神様からいただいた「ご縁」に感謝し、お互いにこの先も支え合い、認め合い、助け合いながら人生を共に歩むことを御神前に誓います。
神前結婚式を行わなかった場合も、改めて二人で神社に足を運び、御祈祷のかたちで神様に「結婚奉告」を行うこともできます。

「おかげさまで、神様のご縁によって出会い、私たち夫婦は結ばれることができました。これからも互いを思いやりながら、共に力を合わせて歩んでいくことをお誓いします」
このように、二人で新たな門出を迎えることを感謝し、この先の道のりもご加護を祈りましょう。

厄除け・厄祓い

「厄年」というものを恐れ、心配している方は多いことでしょう。
前厄・本厄・後厄……。それらは、一見すれば「悪いこと」が起こるかもしれない恐ろしい年という印象が強いかもしれません。

でも、その「厄年」とは、人生の中でも男性・女性それぞれに訪れる「生活や環境の変化」、社会的にも「大役を担うこと」の多い時期でもあります。
すなわち、心も体も特に気を付けて過ごさなければならない年、という意味でもあるわけですね。

「厄除け・厄祓い」とは、神様の御力をお借りして災厄を退け、ご加護をいただきながら、無事に大切な年を過ごすことができるようにするためのものだということ。
人生にとっての大事な時期には、そうやって神様とのご縁をより深く結ぶためにも、ぜひ神社に足を運んでみてください。

「今年は厄年にあたりますが、神様の御力で災いを退けていただき、より明るく元気にがんばることのできる年になりますように、お力添えください」
このようなお祈りを、御祈祷をきっかけにお伝えしてみてはいかがでしょうか?

生きる中で神様への感謝を忘れない

生きていく中での「節目」とは、もちろん、今回ご紹介した「人生儀礼」だけではありません。

ご自身にとって、転機となるタイミングや、気持ちを新たに切り替えたいときなど。
ぜひ、その奉告や祈り・宣言を伝えに、神様のところへ出かけてみてください。
その一つひとつを、神様は必ず聞いていてくださり、それぞれの人に必要な御導きやご縁を結んでくださるでしょう。

自分がこの世に生まれ、ただこの場所にいられるということも、数えきれない奇跡と神様のお力添えがあってのこと。
日々、感謝の心を失うことなく過ごすためにも、神社で祈るひとときを持ってみてはいかがでしょうか。

それから、あなた自身の節目はもちろん、あなたの大切な家族の「人生儀礼」でも、神様のことを思い出していただくきっかけになればうれしく思います。

 


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『御朱印でめぐる 全国の神社』

 

平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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