あまりにも自然な姿で日本人の心に受け継がれている「神道」ですが、これも日本に伝わるれっきとした、ひとつの「宗教」であるわけです。
しかし、そうは言っても、文書による明確な「教え」というものが存在しないのが、神道というもの——。
それはもう、私たちが学ぶべきことはすべて、この世界の「あるがまま」から感じ取りなさい、と言われているかのように思えてなりません。

でも、神道の中でも特に、生き方の心得として大切にされている言葉があるんです。
それが、今回お話する「浄明正直(じょうみょうせいちょく)」という言葉。
そのたった4つの文字から学べることを、ぜひあなたの心にも、刻んでいっていただけたらと思います。

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、あなたの人生をもっと素敵にする言葉「浄明正直」についてお話します。

はっきりとした「教え」のない宗教?

あらためて考えてみても、文献などにおける明確な「教え」というものが存在しない「神道」って、とっても不思議な宗教だと思いませんか?

キリスト教なら聖書がありますし、イスラム教ならコーランがいわゆる「聖典」と呼ばれるものにあたります。人々は長い歴史の中で、その「聖典」を読み解くことで、ひとつの宗教の思想を共有してきたわけです。

しかし、こと神道について残されているのは、日本書紀や古事記という「神話」だけ。その物語を軸として、私たちは日常の出来事や自然の存在を通じ、「感性」を使ってその心を継承してきたと言っても過言ではないと思います。

ではなぜ、これまで生きてきた日本人の中には、明確な教えの形が存在しないにもかかわらず、このように深く根付いているのでしょうか?

 

生き方を教えてくれる言葉「浄明正直」


その理由のひとつが、今もなお大切に残されている「浄明正直(じょうみょうせいちょく)」という言葉の存在です。
「浄明正直(じょうめいしょうじき)」という、読み方をする場合もあります。

この言葉は、神職の階位にも下記のように用いられていることからも、神道の中でとても大切にされている言葉なのだとわかります。
 浄階(じょうかい)
 明階(めいかい)
 正階(せいかい)
 権正階(ごんせいかい)
 直階(ちょっかい)

その意味は、いたってシンプルな「心の在り方」を、私たちに教えてくれています。
「浄(清)く、明く、正しく、直く」。
 浄……清らかで、濁りや穢れのない心
 明……後ろ暗さのない、朗らかで明るく爽やかな心
 正……公明正大で噓偽りや裏表なく、モラルやルールを大切にする心
 直……真っ直ぐで偏りのない、素直な心

ひとことで言うなら「真心」「誠の心」


清らかで、明るくて、正しくて、素直な心というのは、ひとことで言うならば、人間が生まれたときに持っている魂の本質——「真心(まごころ)」のこと。
もしくは、「誠の心」とも表現できます。

どんな人だって、生まれた時から悪い考えを持っているわけではありません。
生きる中で出会う、さまざまな誘惑や挫折によって心が汚されてしまうことで、人はその「真心」や「誠の心」というものを、見失ってしまうことがあるというだけなのです。

つまり、この4つの言葉に隠された心の在り方を大切にすれば、私たちはどんな穢れも打ち払い、「真心」を取り戻すことができるということを教えてくれているのですね。

人は生まれながらにして「神様の子」だというのが、神道の考え方です。
人として「神様」と「自分自身の心」に恥じない生き方をすれば、いつでも神様と心を通わせることができます。

それは、生き方に「迷い」がなくなる、ということでもあるのではないでしょうか。
少なくとも、この4つの心を忘れずに過ごすことができれば、私たちはいつだって幸せに生きることができるはずなのです。

 

実践すれば神様の応援をいただける生き方に


あなたが、周りにいる人で「この人は応援したいなぁ」と思うとしたら、それはどのような人でしょうか。

いつだって純粋で、清らかな心の人?
どんなときも爽やかで、明るい心の人?
嘘をつかず誰とも裏表なく接する、正しい心の人?
何事にも偏見を持たず、素直な心の人?

そんな人が近くにいたら、仲良くしたいと思うし、応援したいと思うし、なにかしてあげたい。……そんな気持ちになると思いませんか?
神様だって、同じなんです。

神様が応援して、この人のために力を貸してあげたい、と思うのはまさしく「浄明正直」を実践している人のこと。
つまり、本当に御神徳をいただきたいのであれば、私たちは先に自らがこれを実践できるように努めていけばよいのです。

心に持たせる御守り言葉


もちろん、そうは言っても人間とは弱いもので。
辛いときや苦しいときには心くじけたり、哀しさや淋しさからなかなか立ち直れなかったり、恨み・妬み・嫉み・僻みに支配されてしまうこともあります。

でも、だからこそ「浄明正直」という言葉を、「御守り言葉」として心に持っておきませんか?
よく「座右の銘」というものがありますが、私はそれって、生きる中で決して忘れないように、心の中に持ち続ける御守りのような存在なのではないかと思うのです。

神様がよろこんでくださる「浄明正直」の生き方。たった四文字の魔法のような言葉です。
あなたもぜひ、覚えておいてくださいね!


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平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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