慌ただしく移りゆくこの時代を、今日も懸命に生きる私たち……。
いつもどこか急いでいて、形のない何かに追われているようで、心落ち着く時間が持てていないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、都会のど真ん中にありながらも、果てしない癒しとパワーを感じられる杜があまりにも有名な「明治神宮」に、改めて心を向けてみませんか?
実は広大な杜の神社であるこの場所には、あちらこちらに心静かに神様や自然の雄大さを感じられる魅力的なスポットがあるのです!

すでに参拝したことがあるという方にとっても、もしかすると「ここは知らなかった!」という場所があるかもしれません。
もっともポピュラーな参拝ルート以外にも、ぜひ足を運んでいただきたい、とっておきの癒しの場所の数々……。こっそりと、ご紹介させてくださいね!

——神社を愛するあまり巫女になり、神道の魅力を皆様にもお伝えしている巫女ライターが、「明治神宮」の魅力をたっぷり感じられるスポットをご案内いたします。

 

はじめに——明治神宮はどんな神社?


明治神宮は、日本の明治時代という一時代を築いた、明治天皇と昭憲皇太后の二柱をお祀りしています。
明治といえば、国を開いたばかりの日本が諸外国に呑まれることなく、近代国家として肩を並べるために、多くの変革が求められた時代でした。

政治や国防はもちろんのこと、産業の発展に教育の普及、そして文化の向上……。国民の先頭に立ちながら、ひたすら国と民の平和のために尽くされた明治天皇。そして、それを支えながら、ご自身も社会福祉や女性の教育に尽力された昭憲皇太后。
今の日本の姿があるのは、この二柱の神様のお力でもあるわけです。

驚くべきことに明治神宮の杜は、日本全国から献木されたおよそ10万本もの樹木を植栽することで生まれた人工林。
明治天皇と昭憲皇太后を慕う国民の熱い願いで、両御祭神にとって特にゆかりの深い、代々木の地に鎮座することとなった経緯があります。

広大な敷地の中で、人々の想いが集まり生まれたこの神社は、今なお豊かな憩いの杜として成長を続けています。初詣の時期は、例年日本一の参拝者数を誇る、多くの日本人に愛され続ける神社のひとつなのです。

 

静けさを感じる参道を歩こう——《北参道》


明治神宮と言えば、原宿駅や明治神宮前駅から南門をくぐり、南参道を通って御本殿に向かうルートが一般的です。
そちらから向かう人も、そちらへ帰ってゆく人も多く、参道に人が途切れることはまずありません。

しかし、もしあなたが杜の静けさをゆっくりと感じながら歩きたいなら、ぜひ別の入り口から御本殿へ向かって歩いてみることをおすすめします。

私の一押しは、北門の鳥居をくぐり、北参道を通るルート。北参道駅からはもちろん近いのですが、代々木駅からでも10分かからずに北門までたどり着くことができます。
圧倒的に人が少ないので、より自分のペースで、のんびりと緑のトンネルを楽しむことができるはずです!

本殿の左横にある2本の楠の間から参拝を——《夫婦楠》


御本殿に向かって左側には、2本の楠が大正9年の御鎮座当初から並んで育ち、「夫婦楠(めおとくす)」と呼ばれ親しまれています。

この楠の間に立つと、ちょうど御本殿が臨めます。神様の御神徳を、夫婦楠を通して受け止めることができ、さらに神聖な気持ちになれるはず。
御本殿をお詣りした後に、縁結びや夫婦円満、家内安全などの象徴となっているこの夫婦楠の間からも、手を合わせてみませんか?

幹と幹を橋渡すようにかけられた、しめ縄の紙垂(しで)が時折風に揺れ、今も2本の楠は真っ直ぐに育っています。

 

明治神宮のおみくじである和歌を詠もう——《大御心》 


明治神宮では、おみくじのことを「大御心(おおみごころ)」と呼んでいます。
これは吉凶ではなく、明治天皇と昭憲皇太后が実際に詠んだ和歌が元になっているもの。
そこに込められたメッセージが、私たちの日々の暮らしや心持ちに語りかけ、ヒントをくださいます。私も何度、この「大御心」の言葉に勇気づけられたかわかりません。

明治神宮の中には、いたるところにベンチがあります。ぜひ、境内でゆっくりとそのメッセージを受け止めて、心静かに考える時間を持ってはいかがでしょうか?

 

御苑の奥で清らかな水をたたえる——《清正井(きよまさのいど)》

明治神宮には、明治天皇・皇后ゆかりの広大な庭園である「御苑」がありますが、誰でも500円の御苑維持協力金で、自由に入場することができます。
その御苑の一番奥には、都会では大変珍しい、自然の湧き水の井戸があるのです。
加藤清正という武将が掘ったとされる「清正井(きよまさのいど)」は、毎分60リットルもの水が豊かに湧き出ています。

この井戸は、いわゆる「パワースポット」としても巷で有名になりました。覗き込むと底まで透き通り、その水鏡には杜の緑がきらめいて映り込みます。眺めているだけでも、心が洗われることでしょう!

御苑はその他にも、6月には美しい花菖蒲を見ることができますし、池や隔雲亭(かくうんてい)などもあり、のんびり小径を散策しながら過ごすことができますよ。

 

広い空と緑の大地を感じる——《宝物殿前の芝生広場》


西門と北門の中間に位置するのが、明治神宮の宝物殿ですが、その前は広大な芝生の広場が広がっています。
緑のじゅうたんの上で寝転べば、広い空を見上げて心を癒す、素敵なひとときが過ごせるはず。

この広場では、多くの人が思い思いに過ごしている姿を見かけます。レジャーシートを広げて寝そべりながら本を読んだり、子どもたちが元気に走り回っていたり……。
神様のお膝元で、こうして心穏やかに過ごせるのは、本当に贅沢なことかもしれませんね!

 

歩き疲れたら杜のカフェでひと休み——《杜のテラス》


原宿駅と明治神宮前駅から最も近い南門の前には、まだまだ生まれて間もない「杜のテラス」という、おしゃれなオープンテラスつきのカフェがあります。

明治神宮の杜と不思議な一体感を感じさせるのは、天然木でできたテーブルや椅子、そして豊かな緑をガラス越しにも眺めることができるからでしょうか。

ドリンクも軽食やデザートメニューも豊富なので、参拝の後、歩き疲れた頃にひと休みしてみてはいかがでしょうか?
その居心地の良さに、なかなか動けなくなってしまうかもしれませんので、どうぞご注意を!

 

令和2年には鎮座百年の節目を迎える神社の姿


参道を歩いていると、とても印象深いことがあります。
それは、境内のどの場所を見てもゴミひとつ落ちておらず、落ち葉もきれいに集められて、森に返されていること。
清らかな杜の空間を、日々多くの人が大切に守り、整え、受け継いでいるのがわかるのです。

神様がそのことを、どれだけ喜んでおられるでしょうか。私たちには想像することしかできませんが、杜がこうして美しく清らかであり続けることを見れば、言葉はなくとも伝わってくるものがあります。

もともと「永遠の森」をテーマに、この地に生まれた明治神宮の杜。この先も、永遠に美しい姿で私たちを迎えていてくれることを願わずにはいられません。
来年の令和2年には、この神社も鎮座百年の節目を迎えます。100年の時を越えて今に受け継がれたこの場所を、私たちはこれからも大切に継承していきたいですね。

 

【神社情報】
神社名/明治神宮(めいじじんぐう)
鎮座地/〒151-8557 東京都渋谷区代々木神園町1-1
電話/03-3379-5511
最寄駅/JR「原宿駅」より南参道へ
東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前駅」より南参道へ
JR・都営地下鉄大江戸線「代々木駅」より北参道へ
東京メトロ副都心線「北参道駅」より北参道へ
小田急線「参宮橋駅」より西参道へ

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平日はフリーライター、休日に巫女としてご奉仕。
神社・神道・生き方・心理学・自己分析・心について記事を執筆。
すべての人が前向きに、自分らしく生きるために大切なことを伝えている。
巫女ライターとしては、「書くこと」を通じて神様へのご奉仕を形にすべく、神道・神社・神様の心の本質を伝えることを使命とする。

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